【資産の取り崩しルールについて】 ~バケツ戦略~

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みなさんこんにちは。atabowsです。現在atabowsは、FXでスワップ系(高リスク、低リスク)及びリピート系の投資を行っています。2009年よりFXを始めてはや十数年、ようやく2022年から今の投資スタイルに落ち着きました。

本ブログのメインパートであるFXは趣味と実用を兼ねての運用となりますが、これ以上労働による収入から資金を投入する予定はありません。労働収入から確保した資金は、全て老後の生活資金およびサイドFIREやバリスタFIREといったナントカFIRE(atabowsはxFIREと呼んでいます)用の投資に充てていきます。

一方で、増えた資産はいつか取り崩しを開始する必要があります。資産の取り崩しを始めてからやっぱり資産が足りなかったというのでは済まされませんが、亡くなる時点が最も資産額が大きかったというのも面白くありません。最適とは言わないまでも後悔のない人生を送るには、資産形成と同じくらい資産の活用も重要になってきます。

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というわけで今回は、資産の取り崩しルールについて報告したいと思います。

atabowsの資産形成の考え方については、こちらのリンクを参照してください。

atabowsの投資全般におけるリバランスの方針については、こちらのリンクを参照してください。

atabowsの資産取り崩し(バケツ戦略)については、こちらのリンクを参照してください。

それでは、本稿の目次は下記となります。

  1. はじめに
  2. バケツの定義
  3. 運用ルール
  4. 運用例
  5. 最後に

はじめに

本記事を書くにあたり非常に参考にさせていただいた記事がありますので、まず最初にご紹介させていただきます。

atabowsは資産の取り崩しのルールの方法として、トリニティスタディ(4%ルール)やカン・チュンド氏の積み立て投資の終わり方、をイメージしていました。特にカン・チュンド氏の現金とリスク資産を一定比率(例えば1:1)で保有し、リスク資産の値動きをカバーすべく、資産取崩し時にこの比率に戻すという方法は理にかなっていると感じています。一方で、それ以外の方法についても調べていたところ、九条氏がまとめている九条日記のなかでバケツ戦略なる方法についてご紹介されていて、これが自分に合っているのではと直感的に感じたものがありましたので、今回この手法をatabows流にアレンジしながら整理していきたいと思います。

因みに、九条氏は先ほどの4%ルールやカン・チュンド氏の提案についてもうまく整理されていますのでそちらの記事も紹介させていただきます。

基本的には、これらの記事を読んでいただいてご自分に合っていると思った方法、若しくはこれらの組み合わせで取崩しルールは確立できると思います。

バケツの定義

それでは早速、atabows流のバケツ戦略による資産の取り崩し方法について、整理して行きたいと思います。

バケツの定義

まず最初に、『バケツ戦略』とは何かということですが、詳しくは上記リンクを読んでいただければわかりますが、超ざっくりとまとめると、資産を3種類のバケツに分けて、上のバケツから下のバケツへ資金が流れて、生活費は、一番下のバケツから捻出するというものです。

ここでは、バケツの種類と大きさ、およびそれぞれのバケツに入れる中身について説明します。

まずは、バケツの種類とその大きさについてですが、atabowsは下記のように定義します。

バケツの種類
  • 短期バケツ:生活費相当額の2年分
  • 中期バケツ:生活費相当額の8年分
  • 長期バケツ:残り(例えば生活費相当額の10年分)

この資産配分をグラフにするとこのような感じになります。

次に、それぞれのバケツに入れる中身(資産)について、下記のように定義します。

バケツの中身
  • 短期バケツ:流動性の高い資産。現金や1ヶ月満期定期預金など
  • 中期バケツ:不況時のバッファ。現金や10年国債の他、終身部分を除く企業年金や退職金、保険など60歳から受給開始し、現金化されるもの
  • 長期バケツ:リスクをとり長期間かけて運用するもの。atabowsの場合は、NISAによる投資信託、FXや仮想通貨等の高リスク投資、高配当株(ETF含む)やREITなど

バケツ戦略のイメージ図

具体的な運用ルールはこの後ご紹介しますが、言葉だけでは伝わりにくいと思いますので、バケツ戦略のイメージ図を先にお見せします。この図を眺めながらルールを確認してみてください。

運用ルール

次に運用ルールについて整理していきたいと思います。着色部は継続検討項目となります。

前提ルール

  • 各バケツの中身の確認は、半年に1回(6月末、12月末)とする
  • その際、短期バケツ、中期バケツに対して下記ルールに則り、上位バケツから補充を行う

短期バケツの運用

短期バケツは、日々の生活費を貯めておくための器とします。

  • 日々の生活費の支払いを目的とする
  • バケツの大きさ(目標容量)は、生活費相当額の2年分とする
  • 生活費相当額は、毎月の生活費(平均値)の13ヶ月分とする
  • 毎月の生活費は、バケツの中身を確認する時点から直近1年間の平均値とする。但し大型の一時支出(大型家電や車の購入など)は含まない。これらは、別途中期/長期バケツから予算を充当する
  • 短期バケツには、公的&私的年金のほかに、毎月のフロー収入(FXやCFDの運用益や株の配当金など)を注ぎ入れる
  • 日々の生活費の支出と、上記フロー収入の差額(不足)により、短期バケツの中身が減ってきた場合、中期バケツの資産を短期バケツに移動して、短期バケツを満杯にする

中期バケツの運用

中期バケツは、短期バケツへ資産を送るための器となりますが、市況の不況を吸収するためのバッファーとしても活用します。市況が好調なときは、長期バケツから中期バケツに資産が流れてきますが、不況の際は、中期バケツの資産を取り崩すことで、長期バケツに入れているリスク資産の棄損を防ぐ役割を果たします。運用ルールは以下のようになります。

  • 短期バケツに対し、生活費相当額の補充および不況時のバッファーとしての役割を目的とする
  • バケツの大きさ(目標容量)は、生活費相当額の1年分を下限、8年分を上限とする
  • 長期バケツから中期バケツへの補充は、基本的には長期バケツ内の資産の市況が良い時期に行う
  • 市況が良い時期とは、バケツの中身を確認する際、長期バケツの中身(資産評価額)が、取崩し開始時と比べて増えている状態(時期)を指す
  • 市況が良くない、すなわち長期バケツの中身(資産評価額)が減っている場合、中期バケツの中身が減っていても、長期バケツから中期バケツへの資産の移し替えはしない
  • 但し、中期バケツの中身が生活費相当額の1年分を下回った場合は、強制的に長期バケツの資産を取り崩して補充する(バケツの容量が生活費相当額の3年分になるように)
  • 中期バケツの中身がいっぱいになった場合は、それ以上は中期バケツに補充せずに、長期バケツの容量を大きくする(資産の拡大)

長期バケツの運用

長期バケツは、資産の拡大を目的とします。

  • バケツの大きさ(目標容量)は、資産取り崩し開始時に貯まっている年数とする(成り行きまかせ)
  • 高リスク資産(FXやCFDなど)から得る運用益(フロー収入)は、短期バケツへ充当する
  • 短期バケツの中身がいっぱいになった場合、運用益(フロー収入)は長期バケツに貯めておき、定期的にバケツの中身を確認する際、中期バケツのところで記載したルールに則り資産を移動する

運用例

上記の説明ではわかりにくいと思いますので、もう少し具体的に運用例を示します。

タイミング実施内容
毎月月末当月の支出を確認する
偶数月の20日*以降前2ヶ月分のフロー収入を、長期バケツから短期バケツへ移動する(移動した時点で短期バケツの中身が目標容量を上回っても構わない)
1,7月の初旬12,6月の実績を使って定期修正を行う
短期バケツの容量を確認する
a) 目標容量を下回っている場合は、目標容量まで中期バケツから資産を移動する
b) 目標容量を上回っている場合は、中期バケツに資産を移動する
長期バケツの容量を確認する
a) 目標容量を上回っている場合は、増えた資産を中期バケツに移動する。但し中期バケツの容量は、目標容量を上限とする。それでも目標容量を上回っている場合は、リスク資産(オルカン)を購入する
b) 目標容量を下回っている場合は、基本的には資産は中期バケツに移動しない。但し中期バケツの容量が1年分に満たない場合は、3年分になる額を移動する

*注記:毎偶数月の20日以降とした理由は、公的年金の支給が毎偶数月の15日前後であるため

最後に

最後に、資産取り崩し開始時の資産配分を記録として残しておきたいと思います。

  • 短期バケツ:生活費相当額のXX年分
  • 中期バケツ:生活費相当額のXX年分
  • 長期バケツ:生活費相当額のXX年分

はやくこれを実現させて、XX年分に実際の年数を書き込みたいものです。

投資は自己責任でお願いします。

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